学校が冬休みに入ると、塾や予備校では冬期講習がおこなわれます。
受験を控えている方にとって、この12月から1月は自分自身にどれくらい学力が身についたのか、振り返る大切な時期になるでしょう。
こちらでは、冬期講習はいつからおこなわれるのか・受講するメリットや注意点について解説します。
これから冬期講習を受けるか検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
*目次
冬期講習はいつから行われる?直前講習の時期も合わせて解説
冬期講習には冬休みの時期におこなわれるものと、受験直前におこなわれる直前講習の2つがあります。
こちらでは、それぞれの違いについて解説します。
冬期講習
学年や塾によっても異なりますが、冬期講習は12月下旬から1月上旬に開講されることが多いです。
夏期講習の場合、夏休み期間が長いため夏期講習もそれに合わせて長く設けている塾もあります。
しかし、冬休みは短いうえに年末年始も重なります。
12月30日〜1月3日まではお休みをしている塾も多く、このお休みの間はどうしても自主学習になってしまうでしょう。
ただし、塾によっては12月上旬から1月下旬までと約2か月間冬期講習を開講しているところもあります。
お休みや開講期間の長さはそれぞれなので、申し込みをする際はこの2点について確認するようにしましょう。
直前講習
受験を控えた小学生から高校生を対象に、1月から3月におこなわれる受験対策を目的とした講習です。
中学受験・高校受験・大学受験の本番は1月から始まります。
受験を控えた子どもたちにとっては、受験直前に集中して講習を受けられる最後のチャンスです。
塾によっては志望校や受験のスケジュールに合わせて、異なるテーマの講義を設けているところもあります。
講義の期間は1~2週間ほどなので、受験直前の最後の講義を受けたい方や、万全の状態で受験に挑みたいという方におすすめです。
冬期講習の申し込み時期はいつから?
冬期講習ならびに直前講習の申し込み期間は、11月下旬から12月中旬が目安です。
万が一、募集期間終了後に申し込みをしたくても集団塾の場合はカリキュラム上申し込みが難しいケースが多いでしょう。
しかし、個別指導塾であれば募集期間が終了していても柔軟な対応が可能なため、講習中でも冬期講習や直前講習に申し込みできるパターンが多いです。
ただし、あくまでも11月下旬から12月中旬は1つの目安であり、人気の高い塾の場合は早めに募集期間を終了する場合もあります。
受験シーズンとなると、多くの子どもが受験対策として冬期講習に申し込むため、希望者は早めに申し込みをしましょう。
学年別で行われる冬期講習の内容
冬期講習というと、高校受験や大学受験を控えている子どもが受講されるイメージを持たれている方もいらっしゃるかと思いますが、近年では中学受験を希望される子どもも多いです。
学年によっても冬期講習を受ける目的や、講習の内容は異なります。
こちらでは、学年別でおこなわれる冬期講習の内容について解説します。
小学生の冬期講習
小学生の場合、冬期講習の内容は学年ごとに学んだ単元の復習や新学期・新学年の予習が中心です。
小学生でも授業を進めるうえで計算が苦手だったり、漢字の読み書きが苦手だったり様々な問題にぶつかります。
小学生の冬期講習の大きな目的は、基礎知識の定着と学習習慣を形成することです。
早い段階で学習習慣を身につけておくことで、自ら進んで勉強するような習慣を作れるようになるでしょう。
また、中学校や高校の勉強は小学校での勉強の応用や発展です。
そのため、小学生のうちから基礎をきちんと定着させれば、勉強を進めていくうえで苦手が少なくなり、学年が上がっても成績が伸びやすくなるでしょう。
中学受験を希望されている方は、志望校対策や過去問研究・模擬試験など試験対策を手厚くおこなっている塾を検討しましょう。
中学生の冬期講習
中学生になると、高校受験を視野に入れて成績アップを目的とした方が多く入ってきます。
中学1年や2年の成績も、内申点の結果が受験に影響することもあります。
現段階で苦手科目がある方は、早めの対策が必要です。
おもに中学生の冬期講習の目的は、次の3つです。
- 苦手科目の復習
- 新学期の予習
- 中間・期末テストの対策
特に中学生になると、数学や英語が苦手だという方の割合が目立つようになります。
1年生や2年生の時点でこれらの科目が苦手な方は、早めに冬期講習などで対策をとりましょう。
3年生になると、いよいよ高校受験が始まります。
塾によっては過去の問題や面接練習といったアドバイスもおこないます。
また、冬期講習だけではなく直前講習もあるので、最終的な学力チェックもおこなえるので希望者は早めに申し込みをしましょう。
高校生の冬期講習
高校生の冬期講習では、各科目の復習や新しい教科の予習が中心におこなわれます。
冬期講習の目的は成績アップや苦手科目の克服ですが、その理由はセンター試験を見据えているからです。
センター試験では、これまで受けてきた受験よりも難易度が上がり、なおかつ各教科において広範囲に試験対策をしなければいけません。
冬期講習では、1日に複数のコマを取り、短期集中的に勉強をおこないます。
中には空き時間を利用し、塾の自主学習室で勉強をされる方もいるので、空き時間も上手く利用しましょう。
3年生になると大学受験を視野に入れ、過去問やセンター試験対策など受験本番に向けて準備をします。
自分の志望校に合った試験対策をおこなっている塾や冬期講習を選びましょう。
冬期講習にかかる料金の相場
中学受験・高校受験・大学受験によって、冬期講習にかかる料金は異なります。
小学生での冬期講習に掛かる相場は次の通りです。
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中学受験のために通う場合
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授業の予習・復習で通う場合
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小学4年生・5年生
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2万円~5万円
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2万円~4万円
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小学6年生
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5万円~7万円
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2万円~4万円
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続いて中学生の料金の相場です。
中学生の場合、個別塾か集団塾によって費用が異なります。
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中学1年生・2年生
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中学3年生
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集団指導塾
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2万円~3万円
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4万円~7万円
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個別指導塾
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4万円~6万円
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8万円~10万円
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個別指導塾の方が、集団指導塾より高くなります。
ただし塾によっては費用が20万円になるところもあり、申し込みをする際は金額に注意をしましょう。
最後に高校生です。
中学生と同様、集団か個別によって料金は異なります。
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高校1年生・2年生
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高校3年生
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集団指導塾
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3万円~6万円
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5万円~8万円
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個別指導塾
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4万円~7万円
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6万円~13万円
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志望校によっては、センター試験の有無や入試科目が異なります。
個別指導塾の場合、選択する講座数によって費用が変わるので、あらかじめ確認しておくと安心です。
冬期講習を受講する5つのメリット
冬期講習は本当に必要なのか、学校や通常の塾でおこなわれる授業で問題ないのではと思われている方もいるでしょう。
ですが、冬期講習を受講することで5つのメリットを得られます。
では、そのメリットの内容について詳しく解説するので、参考にしてみてください。
受験対策ができる
冬期講習では、志望校別で受験対策をおこないます。
特に、受験生向けの冬期講習では過去問を使用するので、実際の受験の雰囲気を経験できます。
また、過去に出題した問題を解いていくため、どの問題が出題されるのかその傾向を把握できるだけではなく、試験本番のインプットとしても効果的です。
初めて受験をされる場合、勉強面での不安以外にも精神的なプレッシャーを感じている方は多いです。
そんな中、冬期講習を受ければ同じ境遇の仲間に出会うので、励まし合ったりモチベーションを上げたりすることもできるでしょう。
苦手科目の克服ができる
通常の塾の講義でも苦手科目を学べるので、授業の予習や復習に繋がるでしょう。
ですが冬期講習では苦手科目をより集中的に学ぶことができ、一人ひとりの弱点を見つけ出せます。
受験までにその弱点である部分を集中的に勉強していけば、苦手科目の克服に繋がります。
受験学年はもちろんですが、受験学年になる前の1年生から2年生のうちに苦手科目を集中的におこない克服することは重要です。
逆に好きな科目も伸ばせるので、今以上に実力を伸ばせるでしょう。
得意科目を見つけることは試験に有利なので、まだ見つからないという方は冬期講習で見つけてみてください。
模試や学力テストが受けられる
冬期講習の間に、塾では模擬試験だけではなく塾内の学力テストもおこないます。
現在の自分の学力を把握でき、なおかつ弱点も見つけられるので、今後どのようにすればいいのか方針を決められるでしょう。
受験前におこなうことから、思った以上の結果が出ず落ち込む方もいるでしょう。
試験結果に一喜一憂するのではなく、テスト結果を解きなおすことで次の結果に繋がります。
学習習慣の維持ができる
年末年始になると、クリスマスやお正月など、子どもにとって楽しいイベントがたくさんあります。
受験を控えた方にとって、この冬休みが勝負と言えるでしょう。
しかし、遊びに夢中になっていると冬休みの間にそれまでやってきたところを忘れてしまったり、同級生との差が出てしまったりします。
冬期講習に通うことで、毎日一定時間は学習時間の確保が可能です。
どうしても親戚の集まりや体調不良など、さまざまな理由で冬期講習に出られない方は、個別授業か、もしくはオンライン授業での参加を検討しましょう。
塾に入る前の体験ができる
ご家庭によっては塾に通わせるかどうか、悩んでいる方もいるでしょう。
塾によっては冬期講習だけでも受講できるため、塾の雰囲気をつかめます。
もちろん無料体験によって雰囲気をつかめますが、数回しか体験できません。
ですが冬期講習は10日〜2週間とたっぷり通えるので、無料体験よりも塾の雰囲気や授業の進め方を理解できるでしょう。
もしもそのまま塾の雰囲気が気に入れば、翌月の1月から本格的に通えます。
入るかどうか迷っている方は、まずは冬期講習から始めてみましょう。
冬期講習を受ける際の6つの注意点とは?
冬期講習にはたくさんのメリットがあり、これから入塾させようか検討されている方もいるでしょう。
しかし、塾に通っていない方で冬期講習を検討されている方は、次の6つの注意点を忘れないでください。
塾によっては冬期講習のみの申し込みができない
塾によっては、冬期講習だけの受付はお断りしているところもあります。
中学受験を検討されている小学生が通う塾や、数々の最難関校合格者を多数輩出している名門塾の場合は、冬期講習のみの受付はおこなっていないことがあります。
また、受け付けていたとしても中学受験を希望している生徒と、希望していない生徒では同じクラスで受講することはできません。
なぜなら、これまで中学受験を目指している生徒のモチベーションが下がる可能性があるからです。
ただし、必ずしも入塾していなければ冬期講習に参加できないわけではありません。
中には補習コースなど、入塾していなくても冬期講習の申し込みがおこなえる塾もあるので、検討してみましょう。
子どもが負担に感じることも
受験を控えている子どもがいるご家庭にとって、成績が芳しくなければ入塾や冬期講習の申し込みなど、親ができる限りのことをやってあげたいと思うでしょう。
しかし、すでに自分に合った塾に入っているのにも関わらず、冬期講習だけ他の進学塾を申し込むと精神的なストレスを与えてしまう可能性があります。
場合によってはやる気を失くしたり、塾をやめてしまったりする原因にも繋がるでしょう。
大切なのは子どもの気持ちです。
子どもが集中して勉強ができる環境を用意してあげましょう。
目的に合った冬期講習を選ぶ
塾を選ぶうえで重要なのは、子どもの目的に合った塾を選ぶことです。
たとえば今年受験生なのに、補習専門の冬期講習を選択するのは本来の目的と相違があります。
受験を控えた大切な時期であれば、過去に同じ志望校合格者を輩出した経験があるか、志望校対策の講師が在籍しているか確認しましょう。
逆に中学受験を希望しない方は、中学受験専門の冬期講習へ参加されることもおすすめしません。
子どもに必要以上の負担をかけないよう、目的に合った塾を選びましょう。
複数の塾と比較する
現在塾に入れていない方は、1つの塾に絞る前に複数の塾と比較しましょう。
もしスケジュール的に余裕があれば、無料体験授業を冬期講習前に受けておくと、授業の雰囲気や進め方がわかるのでおすすめです。
現在通っている塾がある方も、必ずしもその塾の冬期講習を受けなければいけない決まりはありません。
複数の塾と比較して、自分に合った冬期講習を申し込みましょう。
集団指導塾が合わない場合がある
子どもによっては集団での授業が合わない場合があります。
たとえば苦手科目を学習しているとき、周りの子は分かっているのに自分だけ理解できていないと分かると落ち込んでしまいます。
中には周りに遠慮し、分からないところを聞けない子もいるので、その場合は集団指導塾よりも個別指導塾のほうがおすすめです。
感染対策がきちんとされていない
冬は風邪だけではなく、新型コロナウイルスやインフルエンザなど、さまざまな感染症が流行します。
この時期は勉強だけではなく、体調管理も大切です。
感染症対策をしなければ、試験当日に体調不良で参加できないなど、試験に影響を及ぼします。
中には感染対策をされていない塾もありますので、どのような感染対策がされているか確認しましょう。
以上、冬期講習のメリットや注意点について解説しました。
受験生にとって冬は大切な時期ですので、冬期講習選びには慎重になられる親御さんもいるでしょう。
当校では、1対1もしくは1対2の方法で指導しています。
一人ひとりに合わせた個別カリキュラムと、英語や英検対策にも力を入れています。
小学生から入塾できるので、気になる方はぜひ、無料体験授業を申し込んでください。
ECCベストワン藤沢校では、5教科のほか、英検対策にも力を入れています。
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監修:河原紀夫
ECCベストワン藤沢校 学校長
横浜生まれ、鳥取育ち。
東京外国語大学外国語学部(現国際社会学部)中退、青山学院大学文学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科中退。
大学生時代に塾講師として教壇に立ち、そのまま塾業界へ。塾業界28年。
「先生、できた!」「先生、ここが分からないんですけど」が大好物。
3歳から慣れ親しんだ自然も、田舎暮らしの中で憧れた都会の喧騒もどちらも好み、そのどちらも共有できる神奈川県藤沢市に在住。
都会と田舎を行き来するドライブと読書が趣味。養老孟司と大森正蔵とマーク・トゥエイン、J・D・サリンジャーを愛読。